運動の効果
運動は心疾患などに対して、さまざまな健康効果があることから、マジック・ピル(魔法の薬)と呼ばれています。
その効果をまとめると
- 血管が広がる → 血圧が下がる
- 血液が固まりにくくなる → 脳梗塞、心筋梗塞の予防
- 善玉コレステロールが増える → 動脈硬化の予防
*詳しい説明は参照をご覧ください。
運動は二種に分けられる
運動は「低強度」と「中強度以上」の二種類に分けられます。また、いわゆる「運動」と日常生活で行う「生活活動」の二種類に分けられます。
まとめると
- 低強度の運動: ストレッチ
- 中強度以上の運動: 速歩、ジョッキング、テニス、水泳、ランニング、マラソン など
- 低強度の生活活動: 事務作業、洗濯、炊事、ピアノ演奏 など
- 中強度以上の生活活動: 歩行、床掃除、階段の上り下り、庭仕事、介護、洗車、子供との遊び など
健康に効果があるのは、中強度以上の運動と生活活動と言われています。ストレッチなどの低強度の運動はそのための準備と考えられます。
運動量の目安
- 18歳から64歳の人で、
中強度以上の運動(生活活動を含む)を
毎日1時間、週1時間程度は汗をかく程度の運動をする
- 65歳以上の人は
強度を問わず、毎日40分間程度
*ただし、持病のある方や高齢者の場合はケースバイケースです。
参照
- 運動によって、心臓は筋肉に酸素や栄養分を多く届ける必要があるため、多くの血液を必要とするため、心拍数を増やして血流を増加させます。すると、血管の内側の内皮細胞が血流の摩擦を受け、一酸化窒素の分泌を増やします。一酸化窒素には血管の平滑筋(へいかつきん)を緩める作用があるため、血管が広がり、血圧が下がります。
- 運動時、運動直後は自律神経である交感神経の緊張が高まりますが、終了後はしばらくするとその緊張が低下して、副交感神経が優位になります。すると、血小板の働きが抑えられ、血液が固まりにくくなり、血栓ができにくくなります。また、血管の内皮細胞から分泌される一酸化窒素も血小板の働きを抑えます。
- 運動により、脂肪を分解する酵素が働いて、中性脂肪がエネルギーとして消費されます。中性脂肪と善玉コレステロールは「シーソーの関係」にあり、中性脂肪が減ると善玉コレステロールが増えるようになります。善玉コレステロールが増えると、血管壁にたまった余分な悪玉コレステロールを回収します。